役者の勉強をしなければ？

このページには、コミックマーケット８９（2015年冬）に出展した際に、当サークルのスペースを訪れていただいた皆さんに向けて配布したペーパーの内容を掲載しています。

今年（2015年）のノーベル生理学・医学賞を受賞した、大村智・北里大学特別栄誉教授が授賞式を終えて帰国した時に、羽田空港内のホテルで記者会見が開かれました。大村氏は、この記者会見の最後に大勢のカメラマンからいろいろポーズを求められながら、「受賞者は役者の勉強もしなければ」とつぶやき、記者たちの笑いを誘ったようです（2015年12月14日11：08配信のYOMIURI ONLINE記事より）。

大村氏は「役者」という表現を用いておられましたが、これはもしかすると、多くの記者に取り囲まれ、ずらっと並んだカメラから派手にフラッシュを浴びるような場面では、取材するメディア側の要望にふさわしいように自分の表情や姿勢を演技する必要があるのかもしれない、と指摘していたのではないかとも思われます。（あるいはこの発言は、カメラマン達からさかんにポーズと視線を求められてうんざりした同氏による、皮肉が込められたものだった可能性もあります。）

しかし表情・姿勢等が「ふさわしい」とは、メディア側の思惑にとって、ではなくこちらのイメージ操作の意図にとって「ふさわしい」ということであるべきです。

コミックマーケット89の新刊（Vol.23）では「自己のイメージを自身で演出していく」ための基本的な考え方の検討を行いました。この小冊子で述べたような、個々の言動を通じて自分のイメージを統合的に作り出すことについて、実践的テクニックを身につけたいというのであれば、「メディア・トレーニング」もその手段として検討するようお勧めします。メディア・トレーニングは、「役者のような演技をする」のではなく、（メディアによる好意的な扱いを確保し）自分のメッセージが的確に伝わるように「記者会見等の場で主導権を握る」方法等の習得を狙いとしています。

C89 2015年12月31日（木） 東５ホール 「ポ」ブロック 41a
軍師・参謀を志す人のために　穀城山中樵客（こくじょうさんちゅうの しょうかく）

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TC/CO/0040 (15-0005)

[2015-12-31]

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